☆老妻の繰言飽きし遅き春
「コーヒーブレイク」
「だれか、だれかいないか!」と主人が大声で呼ぶ「だれか」なんて使用人はこの世に存在しない。だから返事をしてはいけないと、200年前のイギリスの「奉公人心得」と云う本に書いてあるそうだ。更に「○○はいないか。○○は?」と名指しで呼んでも、他の使用人が返事をしてはならない。そこに○○がいても、三度か四度呼ばれるまで返事をしてはならない。口笛ひとつで飛んで行くのは犬だけである。
寒い雨の晩郵便を出すよう指示されたら、外へ出てもパブで一杯ひっかけて、適当な時間に帰ればよい。手紙なんて明くる日出せばこと足りる。又夜遅く馬車を呼べと命じられたら、玄関で待機して待つすべし、遠くに探しに行ったら、その間、主人が別の用事を思い出した時役に立つことが出来ないではないか。
奥様が絹のブラウスやスカーフを箱に仕舞うように指示されたら、その端っこを少し箱の外に出して、今度探す時の目印とすること。これらは「ガリバー旅行記」の著者ジョナサン・スイフトが書き残したダイジェストにあるそうだ。
これを現代に当てはめて、サラリーマン管理職か゛ランチタイムに新参の部下に「誰か郵便局の前を通る人、この手紙を出して置いて呉れないか」。ところが、帰社するだんになって手紙が其の儘になっている。仰天して問いただすと「飯は××軒で食べた、××軒は郵便局から離れているから云々・・・」だが200m足らず、ちよっと行けば2分と掛からない。
スイフトの「奉公人心得」は今も生きている、馬車をタクシーに替え、使用人に背広を着せると「サラリーマン心得」に、サラリーマンは怒るかな、ならば「公僕心得」として見てはどうだろうか。